仏検準2級 1次試験[3]詳細分析

1次試験 [3] 試験内容

仏検準2級の1次試験の3番目の設問が[3]です。

与えられた2つの文が同じ内容になるように選択肢から選んだ語を適切な形にするという空所補充の記述式の問題です。

仏検では「動詞を使った言い換え問題」と呼んでいます。

フランス語で解答用紙に書く記述式の問題です。

問題数は5問で、各問2点なので合計10点です。

与えられる選択肢は7つありますが、ここは2級と違って馴染みのある動詞が多いです。

「言い換え問題」のツボ

さて、例によって仏検公式サイトの「学習のツボ」ですが、まさに仏検準2級の1次試験の[3]についての解説がなされているページがあります。

第21回 準2級からはじまる「言い換え問題」(中級)

詳細は、上記リンク先の公式サイトでご確認いただきたいのですが、指摘されているツボは以下の3点です。

ツボその1:活用は正確に覚える

ツボその2:時制を合わせる

ツボその3:慣用表現に強くなる

出典:第21回 準2級からはじまる「言い換え問題」(中級)

そして最後には以下の文章で締めくくられています。

準2級で出題される表現は、頻繁に用いられるもののようですから、過去問題を復習すれば十分かもしれません。しかしそれだけではなく、日ごろから、辞書をひくときには、同意語・反意語・派生語にも目を通す習慣をつけるようにするとよいでしょう。そうすることによって、表現の幅は確実に広がっていくはずです。 

出典: 第21回 準2級からはじまる「言い換え問題」(中級)

仏検準2級1次試験[3]対策

仏検準2級の1次試験の[3]は、動詞の活用・時制の知識があり、かつ正しく書けるかを問う問題です。

これは仏検準2級の全てに共通した必須知識であり、1次試験の[3]限定のものではありません。

ですから特に1次試験の[3]限定の対策は必要ないとも言えます。

しかも出題パターンはシンプルで、以下のようなAとBの二つの文の主語と直接目的語が入れ替わっただけのようなものが多いのです。

A Cette robe t’a coûté cher ?
B Tu ( a payé ) cher cette robe ?

もう1問見てみましょう。

2009年の春季試験の[3]から5問目です。

(5) A Tu n’acceptes pas son invitation ?
  B Tu ( ) son invitation ?

選択肢は以下の7語です。

blesser、 choisir、 être、 prêter、 refuser、 rendre、 répondre

いかがでしょうか?

Aの文とBの文は ” n’acceptes pas ” 以外同じですから、まさに言い換えですね。

” refuser ” が同じ意味になりますので、 活用を合わせて” refuses ” とすればOKです。

いみじくも上記「学習のツボ」に書かれているように

「過去問題を復習すれば十分」

なのです。

仏検準2級1次試験[3]対策 ~ここだけの話

ここまでお話いたしましたように、1次試験の[3]については動詞の知識をしっかり学習されて人にとっては比較的容易な設問と思えます。

仏検の公式ガイドブックでは、毎回の仏検における出題の難易度も調整されていると記載されています。

しかし!

受験する回によっては、けっこう手強い(難易度の高い)回もあるのです。

仏検の出題担当割もそうだと思うのですが、一般的に試験の出題は毎回異なるチームなり担当者なりが担当するものです。

そうなると、どうしても回によって難易度に差が出てきてしまいます。

不幸にして仏検準2級も難しい回に出くわしてしまうこともあるわけなのです。

désolé …

例えば2010年の春季試験の[3]から2問((3)と(5))見てみましょう。

(3) A Il a déjà oublie le nom de ce resutrant .
   B Il ne ( ) plus le nom de ce restaurant .

(5) A On en a assez discuté. Changeons de sujet.
  B On en a assez discuté . Si on ( ) à un autre sujet ?

与えられた選択肢の7語は以下です。

aimer、 apprendre、 éviter、 juger、 passer、 respecter、 se rappeler

どうでしょうか?

(3)のAは、もうレストランの名前を忘れちゃっているという過去形ですね。

ところがBで与えられている文は思い出さないという文なので、”se rappelle ” という現在形が正解となります。

つまり[3]では、仏検公式サイトの「学習のツボ」で紹介されている「Aの文とBの文の時制は同じ」という原則が当てはまらない出題もされるということなのです!

(5)は「話題を変えよう」という単純な文の言い換えですから、”passer ” を選んで別の話題に移行する(移る)とすれば良さそうです。

現在形で、Onに合わせて提案する活用とすれば良いと思いますよね。

しかし、” Si on ? ” で提案する場合には、半過去形にしなければならないというワナが仕掛けられているのです。

したがって正解は ” passait ” となります。

繰り返しになりますが、1次試験の[3]は比較的容易な設問がほとんどであると言えます。

しかし

ワナ(少なくとも受験者にはそう見える)がある!

場合もあります。

気を抜かずに慎重に行きましょう!